2026年7月18日の金属相場概況
2026年7月18日朝の金属市場は、米国時間17日の取引を受けて、貴金属が小反発しても週全体では重さが残る展開として整理できる。ゴールドは一時4,000ドルを割り込む場面から戻したが、週次では下落が残り、シルバーの調整幅はより大きかった。中東情勢の悪化は本来なら安全資産需要を支えやすいが、今回は原油高がインフレ警戒と米金利観測を強める方向にも働き、金属市場では単純なリスク回避の買いになりにくかった。
ゴールドは、中央銀行買いが下値を支えるという見方が残る一方で、短期的にはドルと実質金利の方向に振られやすい局面にある。米国とイランの緊張がエネルギー価格を押し上げるほど、インフレが長引くとの見方から利下げ期待は後退しやすく、利息を生まない金には重しになる。金曜の反発は売り方の買い戻しも含むとみられ、ここから上昇基調へ戻ったとまではまだ言いにくい。
シルバーは、金よりも工業需要と投機的な資金の影響を受けやすく、今週の下げはその性格をよく示している。原油高が景気と企業コストの不透明感を増す場面では、安全資産としての側面よりも、製造業やテクノロジー需要への警戒が前に出やすい。プラチナとパラジウムも同じく週次では弱く、自動車触媒需要をめぐる見方が金利、燃料価格、消費見通しに左右されやすい状況が続いている。
銅は、貴金属とは別に、産業景気と供給不安の綱引きになっている。ロンドン市場の銅は中東情勢によるリスク回避と需要見通しの悪化を受けて下げた一方、ホルムズ海峡周辺の物流不安や鉱山供給の制約は下値を限定する材料でもある。中国向けの銅プレミアム上昇も、現物の引き締まりを示す材料として無視しにくく、銅は「景気が弱いから売る」と単純に言える相場ではない。
原油はこの日の中心材料だった。ブレントとWTIは週を通じて大きく上昇し、ホルムズ海峡や紅海ルートをめぐる供給不安が、輸送費、燃料費、製錬コストに波及する可能性を市場が織り込み始めている。Alcoaの決算でも、Pinjarra製油所の不安定さやサイクロンに伴うガス供給問題によるアルミナ見通しの引き下げが示され、同時に中東情勢に絡む燃料油・ディーゼル価格の上昇がコスト要因として挙げられた。これは銅そのもののニュースではないが、金属全体にとってエネルギーと供給の問題が同時に効くことを示す材料である。
PMIについては、今日の直接材料というより、来週以降の確認点としての意味が大きい。6月のS&P Global PMIでは米製造業が拡大圏を保つ一方、ユーロ圏はおおむね横ばい圏にとどまり、在庫積み増しと供給遅延が価格圧力を残していた。7月分の速報値で、原油高後も需要が持ちこたえるのか、それともコスト高が受注を冷やし始めるのかが見えれば、銅やシルバー、白金族の評価は変わりやすい。現時点では、金属市場は強弱を決め打つ段階ではなく、原油、ドル、金利、PMIのどれが次の主語になるかを見極める局面にある。