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market-analysis2026-02-02

2026年2月2日 貴金属相場、下げ止まらず

Written by Admin
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今回の貴金属相場で起きていることは、「急落して一度落ち着いた」と表現できる段階にはまだ到達していない。年末から年初にかけて、インフレ不安や通貨価値の低下といった未来像を先取りしすぎた結果、相場には短期資金とレバレッジが過剰に積み上がった。その歪みが解消され始めたのが今回の下げだが、それはまだ“終わった動き”ではなく、“進行中の過程”に近い。

価格は確かに10月あたりの水準まで戻ってきた。しかし、それは「底に到達した」という意味ではない。チャートを見る限り、どの金属も共通して、反発らしい反発を伴わず、日足で移動平均やボリンジャーバンドの下側に沿うように、抵抗なく下方向へ滑っている。これは典型的な底打ちの形ではない。下ヒゲは短く、安値で積極的に拾う動きも見えない。つまり、市場はまだ「売りが終わった」と判断していない。

重要なのは、下げ方の質だ。いま起きているのは、パニック的な投げで一気に終わる下落ではなく、売り圧力がじわじわと持続する形だ。これは「悪材料が出たから売られている」というより、「ポジション整理やデレバレッジがまだ終わっていない」状態を示している。だから、価格が節目に来たからといって止まる保証はなく、10月の水準も現時点では単なる通過点にすぎない。

また、金・銀・プラチナ・パラジウムを並べて見ると、弱さの差はあっても、共通して「底を打った後の挙動」はまだ一切出ていない。特に銀がはっきりと弱く、出来高を伴いながら下方向を向いている間は、相場全体が落ち着いたと判断するのは難しい。銀はいつも、いちばん正直にリスクオフを示す。

つまり、現状を正確に言うなら、「振り出しに戻った」という表現ですら楽観的だ。いま相場は、振り出しの位置が本当に正しいのか、そのさらに下に何があるのかを確認しに行っている途中に見える。底が見えたとも、下げ切ったとも言えないし、上がる前提で語れる段階でもない。

今後もし本当に下げが一巡するなら、その兆しは価格水準ではなく、動きの変化として現れるはずだ。下げの角度が鈍り、下ヒゲが増え、出来高やボラティリティがピークアウトし、少なくとも銀が下げ止まる。そうした「状態の変化」が出て初めて、底を意識する話ができる。